F1バーレーンGP:最速タイヤ戦略と残存セット数、幅広い選択肢を確保したフェルスタッペン アルファタウリ・ホンダ、予選Q2ミディアム選択に見える自信……角田の働きにも高評価 アルピーヌ育成の周冠宇がポール・トゥ・ウイン。佐藤万璃音は14位【FIA-F2第1戦バーレーン レース3】 2021年F1シーズンの開始を告げる第1戦バーレーンGP決勝レースが日本時間3月28日(日)24時にブラックアウトを迎える。57周のレースを制するのは誰なのか? ドライバー毎の残存タイヤセット数と、ピレリが考える最速のタイヤストラテジーをまとめる。 公式タイヤサプライヤーのピレリは今回、中間レンジのレンジのC2(ハード/白)、C3(ミディアム/黄)、C4(ソフト/赤)のラインナップを持ち込んだ。決勝がドライコンディションで行われる場合、各マシンは最低2種類の異なる硬さのコンパウンドを使用しなくてはならない。ウェットの場合はその義務も免除されるが、その可能性は低そうだ。 決勝に向けての各ドライバーの手持ちタイヤは以下の通り。アルファタウリ・ホンダとメルセデスの各2台、そしてセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)は他とは異なりミディアムの新品を使い切っている。 2021年F1バーレーンGP決勝レースのドライバー別残存タイヤセット数Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A. 2021年F1バーレーンGP決勝レースのドライバー別残存タイヤセット数 舞台となるバーレーン・インターナショナル・サーキットの路面にはイギリスから輸入した花こう岩が使われておりタイヤへの攻撃性が高くデグラデーションが大きい。そのためピレリは2ストッパーが理論上最速のストラテジーだと考えており、ミディアムでスタートして18周を走った後、ハードタイヤに履き替えて21周を周回。最後のスティントで再びミディアムを履く2ストップ戦略が理想的だと指摘する。 次善策もソフト(14周)ハード(24周)ミディアム(19周)の2ストッパーだが、こちらは先のソフトを使わない戦略よりもトータルタイムが若干遅いと予想される。 ピレリのF1部門を率いるマリオ・イゾラは「トップ10の内の4台はミディアムC3コンパウンドでレースをスタートする。つまり彼らは幅広い戦略的選択肢を持つという事だ。明日は気温が低くなることが予想されるため、各車の戦略がより一層入り乱れる可能性もある」と指摘。トップ3を含むミディアム勢の動向に注目した。 Q3進出組の中でミディアムを履くのはポールポジションのマックス・フェルスタッペンと2番手ルイス・ハミルトン及び3番手バルテリ・ボッタスのメルセデス勢、そして5番手のピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)の4台だ。 フェルスタッペンはこの4台の中で唯一新品のミディアムを保持しており、ガスリーやメルセデスとは異なるオプションを行使できる立場にある。 2021年 F1バーレーングランプリ決勝レースは、日本時間3月28日(日)24時10分にスタート。1周5412mのバーレーン・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う アルファタウリ・ホンダのテクニカルディレクターであるジョディ・エジントンは、今季のマシンAT02に期待以上の自信を持っており、新加入の角田裕毅についても、高い評価を下している。 アルファタウリ・ホンダ、予選Q2ミディアム選択に見える自信……角田の働きにも高評価  アルファタウリ・ホンダが、2021年のF1開幕戦バーレーンGPで躍動している。ピエール・ガスリーと角田裕毅のふたりは、フリー走行から光る走りを披露し、予選ではガスリーが5番手、角田は順位こそ13番手だったが、Q1をレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンに次ぐ2番手で通過している。 同チームのテクニカル・ディレクターであるジョディ・エジントンは、ここまでのパフォーマンスについて、次のように分析している。 「昼間の暑いセッションと、夕方のより涼しくなったセッションの両方を経験した。そしてそのどちらでも、マシンはうまく機能しているようだ」 「そして予選では、ピエールが最大限の力を発揮し、ユウキも素晴らしい仕事をしてくれた」  予選Q1で好パフォーマンスを発揮したアルファタウリは、決勝スタート時に履くタイヤを考慮し、ミディアムタイヤでQ2を突破することを目指した(Q3に進んだマシンは、予選Q2で自身最速タイムをマークした際に履いていたタイヤで、決勝レースをスタートすることが義務付けられている)。ただミディアムタイヤではソフトタイヤ装着時ほどのパフォーマンスを発揮することができず、ガスリーはなんとか8番手に入ってQ3進出を果たしたものの、角田はここで脱落となってしまった。ただ、Q2の1回目アタックのみならず、2回目アタックでもミディアムを選んだところに、彼らの自信が感じられる。 「Q2をミディアムタイヤで通過することは、大きな課題だった。そして、ユウキにとっては報われなかった。しかし、マシンは十分に速いように見えたので、ミディアムタイヤでQ2を突破することは、レースのスタートに向けて実施可能な選択肢だと思われたのだ」 「だから我々は、このアプローチを採用した。しかしそれはうまくいかなかった。ユウキにとっては、良い学習になったと思う。初めての予選で、異なるふたつのタイヤを履かなければならなかったのだから……それは大きな挑戦だっただろう。でも、彼が望んだようなグリップを得られなかった」 「しかしもしソフトタイヤを履いていれば、彼は楽にQ3に進出していただろうし、Q3でも良い戦いをしていたはずだ。正直言ってね。だからこそ我々は、ミディアムでQ2を履かせたかった」 「我々はアグレッシブなアプローチを選択し、それは十分な成果を上げたとは言えない。でも、それが我々の下した決断だ。それはそれだよ。明日は、とても楽しいレースになるはずだ」  しかし昨年までのアルファタウリは、Q2を硬めのタイヤで通過することを目指せるようなチームではなかった。こういう戦略を考えられるというだけでも、その進歩が伺える。 「こうなったのは多くのことの組み合わせだ。誰もが少しでも良くしようと、この旅を続けている。昨年の我々も、良いマシンを持っていると思っていた。しかし通常では、より硬いタイヤでQ2を突破することができるかどうかを確認する必要すらなかった。そういう意味では、今回のことはひとつのサンプルと言えるかもしれない」 「我々のパフォーマンスは本物のようだ……そして計算上では、今回の戦略がうまくいきそうだった。それはマシンがうまく機能しているということの表れだと思う」 「チームの誰もが、マシンのパフォーマンスを引き上げるために懸命に働いている。良いパワーユニットを手にした。シャシーも進歩を遂げた。そしてチームには、過去数年の間に成長してきた若いエンジニアがたくさんいて、彼らの自信も向上している。我々は良い方向性を持っている。そういう全ての組み合わせだろう」 「そこにユウキがやってきた。彼は才能ある男だ。ピエールは完全にチームに溶け込み、素晴らしいフィードバックをもたらしてくれている。つまりひとつのことだけではなく、いろんなことの組み合わせなんだ」 新加入の角田について、エジントンはさらに次のように続けた。 「彼の速さは、F2時代から疑いの余地がない」 「若いドライバーがF1にやってくると、急速に学んでいかなければいけない。彼はそれを段階的に進めている。彼はたくさんの情報を吸収しているし、チームとのコミュニケーションもうまく取っている。我々は彼がマシンにどんなことを望んでいるのか、それを理解している。エンジニアリングチームともうまく協力し合っているし、学び取るのがとても早いんだ」 「今週末には、我々のチームにはいくつかの浮き沈みがあった。マシンにいくつかの問題を抱えていたんだ。彼はそれを、自分自身のやり方で受け入れていった」 「そういうことは、苛立たしいことだったと思う。でも彼はそこから立ち直った。そしてこれまでのところ、非常に良い形できている」 「我々のチームでは、これまでにも若いドライバーたちが走ってきたからね。そういうドライバーたちと仕事をするのは、得意としているところだ」 「そして彼には、ピエールから学ぶべきことがある。そういう意味でも、素晴らしいコンビだと思う。そして彼は今、とても素晴らしい仕事をしている。良いポジションにいるし、我々みんな、今シーズンを楽しみにしているのだ」。 ホンダF1としては最後のシーズンの開幕戦が始まった。マネージングディレクターを務める山本雅史が、この一年間をどんな思いで戦うのか、そして2022年以降のことについて語った。 2015年のF1復帰から6年、119戦を経て、ホンダF1は今週末のバーレーンGPで最後のシーズン開幕を迎える。山本雅史マネージングディレクターは、これまでホンダとして”3つのステップ”を経てきたことで、今季の目標が揺るぎないものになっていると語る。 「ホンダにとっては今年が最終年ですから、できるだけ多く勝利を挙げてタイトル争いをしたいですね」と山本雅史は語る。 「我々は、ここまで大きく前進してきたと思います。まずは、マクラーレンと組んでF1に復帰して、そこでいいことも悪いこともたくさん学びました」 「2つ目のステップは、トロロッソと組めたこと。ここは、タイトル争いができる競争力を持ったパワーユニット(PU)を作るための準備期間のようなもので、チームから多くを学び、開発もかなり進めることができました」 「そして今、レッドブル、アルファタウリとともにタイトルを勝ち取る大きなチャンスが目の前に来ていると思います。少し時間はかかり過ぎたかもしれませんが、ここまで進歩し続けていて、素晴らしい6年間だったと思います」 この1年間は、新型コロナウイルスの影響を受けて、開発の時間が削られてしまった面はあるが、昨年のF1参戦終了発表以降、自分たちの持てるパフォーマンスをすべて発揮すべく、総力を挙げて取り組み、今季は新骨格のパワーユニット(PU)が投入される。 「もともと、コロナ禍以前は、2021年に新たなPUを投入する予定でしたが、コロナの影響で開発計画は2022年まで延期となりました。しかし、2021年末での参戦終了を発表したことで、再び今季からの投入に計画を変更したんです」 「コロナ禍で、2022年型の開発が数カ月間はストップしたのに、それを2021年に投入しようということで、かなりタイトなスケジュールになったのは事実です。Sakuraのエンジニアは、本当に頑張ってくれましたね」 「使える時間は限られていましたから、厳しい状況ではあったものの、我々には2015年から積み上げてきた知見がありますし、うちのエンジニアならやってくれると信じていました。このPUで出力が向上できると確信していたので、パワーの増したPUで戦うんだという強い思いで進めてきました」 こうした努力の末に完成した新骨格のPUだが、実際にコースへ出てうまく機能するのか、不安はつきものだ。バーレーンでのテストは3日間に限られており、問題が起きて走行を止めるわけにはいかない。山本雅史MDは、この3日間の内容が充実したことで、初期段階としては安心できたようだ。 「テストはいい感じで進んで、我々にとってはポジティブなプレシーズンになりました」 「もちろん、信頼性が第一ですが、パワーを向上させようとすればその代償として信頼性部分で負荷がかかります。だから、テストで信頼性の高さが見られたのはいいことですね」 「ライバルたちが開幕戦でどうなっているかは分かりませんし、予選とレースまで成り行きを見守る必要があります。でも、楽しみですね!」 今季はPUの変更だけでなく、レッドブル・レーシング、スクーデリア・アルファタウリともにドライバーラインアップも変わり、セルジオ・ペレスと角田裕毅が加入した。 「4人のドライバーそれぞれの強みや特長があるので、一緒に戦うのが楽しみです」 「もちろん、昨年ともに戦ったアレックス(アルボン)もとてもいいドライバーで、才能豊かですが、ペレス選手は経験豊富ですし、力強いドライバーがチームに2人揃うことで、好結果が期待できると思います」 「そして、アルファタウリのパフォーマンスも楽しみにしています。ピエール(ガスリー)は経験を積んで成熟した感があり、昨年示してみせたようにとても強いドライバーになったと思います」 「裕毅はルーキーですが、僕らはあまりそう思っていません。とにかくレースに集中しているし、ここまでいいパフォーマンスを見せてくれています」 「まずは、今週末のレースで完走してくれることを願っています。F2とは違うとはいえ、彼の速さやブレーキングでの強さを見られるはずですし、いくつかいいオーバーテイクを決めてくれるんじゃないかな」 「ホンダは日本で生まれた企業ですから、当然、裕毅の存在は特別なものがあります。おひざ元である日本のモータースポーツファンの皆さんも本当に喜んでくれていますよね。日本人ドライバーをF1のグリッドに送り出せるというのは誇らしいですし、小林可夢偉選手以来7年ぶりとなるわけですから、彼のレースにはとてもワクワクしています」 角田裕毅のデビューには、山本雅史MDだけでなく、世界中のレースファンが注目している。昨年はコロナ禍の影響で鈴鹿でのグランプリが中止の憂き目にあった日本のファンにとってはなおさらで、10月の日本GP開催を心待ちにしていることだろう。 「もちろん、鈴鹿でレースができることを願っています。前回の日本GPではメルセデスが優位でしたが、我々も鈴鹿で強さを発揮できるマシンを目指してきました。マックス、チェコ(ペレス)、ピエール、裕毅は、全員日本のファンの前でいいレースができるはずですし、いい結果をお見せしたいですね」 ホンダとしての参戦は今季限りとなりますが、来年以降、PU技術はレッドブルへと引き継がれる。F1マネージングディレクターとして、どう捉えているのだろうか。 「レッドブルと大筋の方向性では合意していますので、今は来年以降、ホンダがどうサポートをしていけるのか詳細を詰めているところで、その部分は引き続き協議中です」 「個人的には、来年からも我々が作ってきたものを使ってもらえるということでとてもうれしいです。ホンダとしても競争力のあるPUを提供することでレッドブルがチャンピオンシップを争えるようにサポートしていきたいと思っています。それがきちんとできれば、本当に素晴らしいことですよね」 「マシンやエンジンにHondaのロゴが出ることはありません。ホンダのPUを搭載したマシンを外から見ることになるのは複雑な気分になるでしょうね。マシンの心臓部はホンダなのに、ホンダのクルマとは言えないわけですから」 しかし、ホンダとして戦う時間は、まだ1年間残されています。2015年からの挑戦を締めくくるに相応しい戦いをすべく、山本MDは自信をにじませる。 「昨年の反省は、最初の3連戦であまりポイントを獲得できなかったことにあります。ホンダとしては序盤の数戦で絶対にミスをしてはいけませんし、特にマックスとチェコにはできる限り多くのポイントを手にしてもらいたいと思っています」 「現実的には、すべてのコースで強さを発揮して全戦優勝というのは難しいでしょうけど、レッドブルとは、ここで勝たなきゃいけないよね、というコミュニケーションは十分にできています。その他のレースでも最低限表彰台には立たなければなりません。このバランスをしっかりと取って、すべてのレースでいい結果を残していきたいと思います」 3月28日(日)、2021年FIA-F2開幕戦となる第1戦バーレーンのフィーチャーレース(決勝レース3)が開催され、周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)がポール・トゥ・ウインで優勝。日本の佐藤万璃音(トライデント)は14位だった。  フィーチャーレースのスターティンググリッド順は予選順位がそのまま反映される。ポールスタートは周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)。隣には同じくアルピーヌ育成のクリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)。  セカンドローは3番手にフェリペ・ドルゴヴィッチ(ユニ・ヴィルトゥオーシ)、4番手にダニエル・ティクトゥム(カーリン)で、上位4台のなかで周のみがハードタイヤを選び、他3台はソフトタイヤを選んだ。佐藤は18番グリッドからのスタートだ。  気温22.8度、路面温度は41.6度。風がやや強く路面にはところどころ、砂漠から飛んできた砂が目立つ。晴天に恵まれたレース3は、タイヤ交換を行う1回のピットが義務付けられ、周回数は32周となっている。  ドライバーの純粋な速さが見られるレース3は日本時間の19時50分にスタート。ルンガーが好スタートを切りトップでターン1を通過し、周は3番手まで後退。  後方ではターン4のブレーキングでロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)がロイ・ニッサニー(ダムス)に追突。コントロールを失ったニッサニーはアレシオ・デレッダ(HWAレースラボ)に接触しマシンをグラベルに停止。リリム・ツェンデリ(MPモータースポーツ)もウィングを壊し、コース整理のためSC(セーフティカー)が1周目から入ることになった。  レースは4周目から仕切り直し。ルンガー、ドルゴヴィッチ、周のトップ3でレースは再開する。接近した隊列でホームストレートを通過していき、なかでもドルゴヴィッチがスピードに乗り1コーナーでルンガーをパスし先頭へ立つ。  しかしルンガーはターン4からターン5へのコーナーセクションでクロスラインを取りトップを奪い返す。後方では7番グリッドから発進し4番手まで順位を上げていたレース2の覇者オスカー・ピアストリ(プレマ・レーシング)が周を交わして3番手を手に入れた。  上位3台は後続に対し0.5秒ほど速い1分48秒300前後で周回。7周目の1コーナーではピアストリがブレーキングでドルゴヴィッチのインにマシンを並べオーバーテイク、2番手に浮上する。  10周目、タイヤのデグラデーションが起き始め、先頭のルンガーは1分49秒411までペースダウン。1.026秒後方にピアストリ、さらに1秒後方にドルゴヴィッチという隊列で、中盤戦に突入していく。  ペースに苦しむルンガーは13周目のホームストレートエンドでピアストリに並ばれ順位を一つドロップ。確実にワンチャンスを手中にするピアストリはタイヤを労わりながら周回を重ねていく。  一方のルンガーはペースが1分50秒台まで落ち込みこの周にピットイン。ソフタイヤスタート組みのタイヤ交換が始まった。ルンガーは全体13番手でコース復帰。15周目には2番手のドルゴヴィッチもタイヤを交換した。  16周目、ハードタイヤを保たせる戦略を採ると思われた暫定3番手の周がピットイン。ソフトタイヤの耐久性に期待し後半戦をフレッシュなタイヤで戦うことに。翌周にはトップのピアストリがタイヤをハードに交換する。  ピアストリがピットインする直前、1コーナーでジャンルカ・ペテコフ(カンポス・レーシング)がマシンから消化器が噴射するアクシデントに見舞われマシンを停止。これによりVSC(バーチャルセーフティカー)が提示され、直後に2度目のSCヘと切り替わった。  このタイミングでピットアウトに成功したピアストリは暫定4番手でコース復帰。さらに上位3台も18周目にタイヤ交換を即断。首位を走っていたマーカス・アームストロング(ダムス)がハードに交換し、順位そのままにコース復帰を果たし、以下ハードのピアストリ、ソフトのフェルシュフォー、ハードのルンガーという順でSC解除を待つ。  ペテコフのマシンが排除されレースは19周目から再開。リスタートでフェルシュフォーがピアストリの後方にピタリとつけストレートでマシンを横に並べ、ピアストリとともにタイヤの温まりに難があったアームストロングの3台がスリーワイドで1コーナーへ進入。大外を取ったピアストリが首位を奪還しフェルシュフォーが2番手に浮上。アームストロングは3番手に後退してしまい、さらに周が後方1秒以内に接近されてしまった。  フェルシュフォーはハイペースを維持し20周目の1コーナーでピアストリを攻略。以降1分46秒703というピアストリよりも1.6秒速いペースで差を広げていく。また22周目にはアームストロングがズルズルと後退し3番手に周、4番手にレース1勝者のリアム・ローソン(ハイテックGP)となった。  22周目の最終コーナー手前で周はピアストリに追いつく。ピアストリは終盤までタイヤを温存する作戦か不必要にブロックはせず周がオーバーテイク。周はアルピーヌ育成のライバルを0.8秒後方に従えながら終盤戦を迎えることに。  フェルシュフォーのタイムが1分48秒台中盤まで落ち始めた26周目、上位3台が1.7秒差以内に納まる。次のラップでは周にプレッシャーをかけられたフェルシュフォーがターン10で左フロントタイヤをロックする。  28周目の1コーナーでは上位3台が団子状態で走行。ターン3を抜けて周がフェルシュフォーにならびターン4進入でトップに返り咲いた。後方からは4番手に浮上してきたティクトゥムがピアストリとテール・トゥ・ノーズの状態で周回を重ねていく。  接近戦を演じていたピアストリとティクトゥムは30周目に決着。ティクトゥムがインに入りサイドバイサイドで1コーナーに進入、ターン2からターン3へと向かう際に2台は接触。ピアストリはスピンしランオフエリアにマシンを停止しここでリタイア。マシンの中で頭を抱えたピアストリは、大量ポイントが確実だっただけに悔しすぎる結果となった。  この接触はレース後の審議となり、ピアストリのマシン回収のためVSCが1周に渡って導入。31周目の途中でVSCが解除され周を先頭にレースが再開。フェルシュフォーはタイヤが悲鳴を上げマシンがスライド。ティクトゥムに交わされファイナルラップのターン4でローソンにも抜かれてしまった。  そしてレースは周がポール・トゥ・ウインで今季初、自身2度目の優勝。以下ティクトゥム、ローソン、フェルシュフォーの順でフィニッシュ。佐藤は14位でレースを終えている。